(251)熱意が生徒をダメにする(第3回)

ダンサー内藤の解説シリーズ

私の知っている良い先生などは、お茶に例えて、裏千家でも表千家でも全然構わないよ…という風にジョークを交えて、そういう風に許容範囲を広げるというか、まずは大体できればいいよと、そんな優しくてアバウトな感じで教えていた(今は故人)のですが、そういう教え方で全然大丈夫だと思います

それに時々は生徒が安心するような言葉をかけてあげると良いですね。先にも何回も書いているように、熱意のある先生、一生懸命やろうとする先生ほど、きちんとしっかりできるようにしようという熱意があり過ぎて、ひとつの足型や留意点に関してはどんどん説明したり解説するのですが、聞いている側からするとバンバン、ほぼ同時刻に色々多くの事を言われて、それらを自分の頭の中で反復して、その意味を把握しようとしていても、その時にもすぐに次の事をバリバリ、早口で先生が話しているので、全然直前の事柄も頭に入ってきません。それに、同じ足型に関して、あれもこれもとたくさん説明されるので、まずはとりあえず何を理解すればいいのか、何が最も重要なのかわからない…。

また。 これができなきゃダメだというふうに言われてるような気がして、生徒さんは『とてもわたしにはそんな正確なことはできない…』と思ってしまう……。こんな風に、先生の熱意とは裏腹に、生徒は混乱してしまっているのが、結構現実です

生徒さんに多くの事をバーッと早口で言わないように、そして、説明した後は、生徒さんが頭の中で、反復(反芻)できるように、喋らないように沈黙を守ることが重要です。

なので、最初は、ほどほどに軽く考えて、『10人中3人ぐらいしかできないんだけど、みんなはできる、できないのどちら側かな?』とか、『先生も最初やったときは全然できなかったんだよね…』とか、あまり白々しくても困りますが、とにかくできない人も安心して参加する気になり、できなくても特に困らなくてもいいんだとか、慌てなくてもいいんだというような気持ちを持てるようにしてあげるのが良いと思われます

ダンス方面の分野は、バンバンよくできる先生でも、日常生活とか、ほかの習い事とか日々の、例えば何か時間を守ってきちんとする(会合に遅刻しないとか…)そんなことにはルーズであったり、いつも必ず5分ぐらい遅刻してくる先生(Y先生とかM先生とかすぐ頭に浮かびます…( ゚Д゚)……) 、そういう人もいっぱいいらっしゃるのだから、そういうダンスの先生自身が不得手な分野もあるでしょうから、自分が誠心誠意、この足型を解説したから、受講者全員が素晴らしく、ジルバを良く踊れるようになる…程世の中順調にいくとは思っていないでしょう。

なので、なにも初心者で、しかもある程度年齢の高い、高齢者と言えるような人が、ジルマのベーシックが全然最初できなくても、それをあまり一生懸命無理にできるようにするんだとか、変な熱意を持って臨むのではなく。 一緒にちょこっと遊んであげる…そのぐらいに思った方が、かえって生徒は気楽に参加でき、その分力も抜けて、かえってよくできるようになるのではないでしょうか

そんなことを思います。わたくしもどちらかというと、熱意のありすぎる先生の側のタイプで、時々そういうことを生徒に注意される有様なので、謙虚に反省してこのエッセイをしたためてみました。今回はここまでです。 それで、更に付け足しみたいな感じですが、わたくしも学校の先生(数学)の先生をしていたせいか、どうしても早口(速口)になり、またそれよりもある意味重要なことかもしれないと思うのですが…その話し口調に色々な悪い特徴が数点あるようなのです。 それらを次回ちょっと付け足しみたいな感じで書いてみたいと思います。(第4回目に続きます。今回はここまでです。)

コメント

タイトルとURLをコピーしました