(250)熱意が生徒をダメにする(第2回)

ダンサー内藤の解説シリーズ

生徒さんは当然、レッスンと言えば、ほとんど初めて教えられる内容な訳ですから、それらを聞いたら、例えば30秒とかじっくり噛みしめて練習したいのに、先生が次から次にまくしたてるようにしゃべるので、せっかく理解しかけたことも、また、先生の言葉で、その頭脳の覚えようとする行程が、邪魔されて、判らなくなってしまうということが往々にしてあります

先生はもちろん、よかれと思って次から次へと、いろんな説明を繰り出す訳ですけれども、これだと、100も200も(と言うと大袈裟ですが)の言葉を聞かされて、生徒さんは、『では一体何に注意すればいいのか』とか、『何を留意して踊ればいいのか』ということが判らなくなってしまいます。

なので、特に熱意のある、絶対僕のレッスンを受ければ、できるようになるぞ‼みたいに思っている熱血先生は、今解説した様な事に特に注意をする必要があると思います。

では実際のところ、心当たりがある先生は、とりあえずどうしたらいいかというと…何かを説明したら、とりあえず黙々とそれを、先生がお手本のようになって、例えば生徒と踊るとか、又はアシスタントの先生と一緒にゆっくり静かに沈黙を守って踊る……踊ってみせるとか、そういうふうにしたほうが良いでしょう。要するに喋りっぱなし、説明を延々と続けるという様な事をやめて、静かな状態を作りましょう。

もちろん、手取り足取り説明するのも大事なことで。 『ああ、この先生はトコトン丁寧にしっかりやってくれるんだな。』という印象を与えるのは良いことですから、それが裏目に出ないように、先生は3つくらいのことを説明したら、とりあえず1分間ぐらい黙々と踊って見せたり、そういう際も何か次々に説明したくてたまらないとは思うのですが、静かにしているということが肝要です。 では重要留意点の2つ目に参りますが、2つ目は簡単にいえば“生徒が安心するような言葉をかける”ということです。 これはどういう事かというと、先生はとにかく、ジルバの足型なら、ジルバの最初のベーシックステップをしっかり教えてあげようと一生懸命になり、結構、必然的に上から目線になってしまいます。これはある意味当然で、芸事とか技術やスポーツ、機械の操作などを教える場合と同様で、できる人ができない人に教えている訳なので、どうしてもそれを正確にきちんとしっかり教えようとするので、当然と言えば当然なのですが、そうではなくて、例えばジルバで生徒さんが両足を替わりばんこにきちんと踏みかえていなくても、なんとなくそれらしくやったり、特に前後の足踏みQQの部分で 足が後ろにうまくいってなくて、揃えるぐらいになっていたとしても、『そこは揃えるんじゃなくて、しっかり後退しましょう』というようなことをあまりきっちり教えすぎずに、(もちろんできそうな人にはできるようにしっかり教えればいいのですが)最初はできない人もたくさんいるし、最後までできない人もいるので、足を揃えるぐらいでも良いし、多少リズムにはずれたって全然構わないので、寛容な目で見て、その人の習得状況に合わせた、言葉がけ、それもその生徒さんの学習意欲を高める様な、優しい内容の言葉がけをしたいという事なのです。(第2回目はここまでです。)

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