(221)ダンス関連…相当マニアックな記述(音楽の捉え方について)【第2回】

ダンサー内藤の解説シリーズ

 さて、ちょっと内容がマニアックというか、専門的なので、当惑していらっしゃる読者も多いかもしれませんが、第1回目の先回は、音楽の捉え方が日本人とヨーロッパ人では異なる…などという、普通には考える事の無い様な、ある意味、カルチャーショック的な内容を書きました。では今回はその続きです。非常に勉強になります。(この記述は、現在のわたくしダンサー内藤が附記しています。では過去のダンス会報の掲載文章を、引き続きお楽しみくださいませ。)

しかし当然ですが、私達が指導する一般の生徒さんとしては、やはり重心と言うか、動きの中心が非常に低く降りて、安定している事をまずはレッスンしなければなりません。私達が『歩く』という事は、脚を腿からしっかり振り出して、腰部も同時進行で進み、そして着地した足が、直ちにその腰部(より上の重量や上半身)を受け止めていくというシステムですので、ダンスに於いても全くこのシステムを正確に再現すれば良いだけです。

たまにメダルテストなどで、ロアーするとか、(ひざ)を十分使おうとする意識からだと思うのですが、常時膝を曲げっ放しで、しゃがむ様に踊る生徒さんを見かけますが、かなり雄大に踊る様な場合でも、まずは、歩く時のクッションくらいの膝の曲げ方か、それよりチョイ深く曲げる感じで十分ですから、こういう生徒さんは、非常に奇異に映ります。しかし、これが上級競技選手ともなりますと、ただ単に歩いている様なシステムでは、やはり限界があるので、もっと“重心を自分から意識して投げ出す”感じで踊らないと、やはりスピードというか強いスウィングを生じさせる事ができません。複雑な例えで、逆に判りにくくなるかもしれませんが、例えば歩いていて、次にややスピードアップしてジョギングやランニングに移行すれば、当然歩いているシステムではなくて、もっと“飛び移る”様な感覚で移動しますね。なので、上級の強い競技的ダンスとしては、この様に歩く事がランニングに変わる様な、運動システムの変更を作らないといけません。(実際にランニングしたのでは、足が縮み、飛んでしまうので、外見は歩くのが速くなった様な感じに見えている訳です。)

大雑把に言えば、歩いている事とほとんど変わりはないのですが、精密に言えば、重心をもっと上に持って来て(いわば不安定にさせる訳です)そして、脚の振り出すスピードと腰部の移動する速度を、普通に歩いている時と、デザインを変えて自分で決めるのです。ちょっとややこしい書き方をしてしまって煩雑になりましたが、言いたい事は、基本的には、普通のダンスをする分には、重心は低く安定すれば十分なのですが、上級を研究するならば、例えば山中先生がおっしゃるように、両胸の間くらいに、重心というか動きの中心を意識し、そこにバランスを保持する感覚も重要だという事です。

(第2回目はここまでです。ちょっと短いですが、結構深いことが書かれていますので、じっくり熟考ながら、是非とも読んでくださいませ。)

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