(220)ダンス関連…相当マニアックな記述(音楽の捉え方について)【第1回】

ダンサー内藤の解説シリーズ

今回は、超絶珍しく、何とダンス関連のブログです。ただし、今現在の筆記ではなくて、これは、わたくしたちのダンスの先生の組織『愛知県プロ・ダンス・インストラクター協会』の機関誌(会報)にわたくし内藤和己が“投稿”したダンスの記事の天才です。これはもうだいぶん古く、2015年の秋の号に掲載されたものです。(今から8年ほど前ですね)ちょっとマニアックな、音楽に関する記述になっていますので、手前味噌ですが、結構貴重な資料ともなると思っています。どうぞお読みくださいませ。お楽しみくださいませ。(数回に分けて掲載します。)

当時のわたくしですが、結構ふざけた感じで、こんなトンボ眼鏡をかけて写真に写っています。

山中先生の講習会と、石場先生の音楽に関する講演会の覚え書き
このダンス会報が発行される時期からすると、随分以前の事になるのですが、過日=今年の春の5月24日【日】に、僕は午前中に、愛知県プロ・ダンス・インストラクター協会・女子部の勉強会で、山中(やまなか)憲一(けんいち)先生(元全日本選手権大会ファイナリスト)のスタンダードの講習会、そして、1時間自動車を飛ばして、名古屋市天白(てんぱく)区にある、平針公民館に行き、社交ダンス音楽製作などのエキスパートでいらっしゃる石場(いしば)惇(あつ)史(し)先生の音楽講座を聴いて来ました。おふたりの講演のお話しでは、ダンスにおいて非常に重要な、そして私達ダンスのプロフェッショナルにこそ、ぜひとも聞いて頂きたい、共有したい重要な内容が沢山ありましたので、筆下手な僕が書くのも何ですが、とにかく皆様にお伝えしたいという一心から、簡単に記し、皆様に伝達したいと思います。

山中先生はいつもおっしゃるのですが、西洋人のバランスという感覚は、日本人(東洋人)のバランスという感覚と、多分に異なるだろうという事で、ダンスの際にも、日本人がバランスと言うと、どうも臍下(せいか)丹田(たんでん)辺り、つまりお臍(へそ)の奥深くの部分で、特に柔道や日本武道の際に、この臍下丹田に力を入れて、身体を安定させたり、又、臍下丹田に気合を宿すという様に、意識して用いられます。ところが西洋人のバランスというのは、もっと30cmくらい上の、簡単に言えば、両胸の中心あたりにあるという事です。(これは色々な先生方が色々な事をおっしゃっていて、“バランスの中心”というのは意識の持ち方であって、高くも低くもできるとか、重心は物理的に定義される概念なので、西洋東洋を問わずに同一の場所にあるとか、またそれすら、西洋人は上に、東洋人は下にあるとか諸説紛々です。つまり重心自体の位置は、物理的に、臍下丹田の様に下半身あたりにあり、これは日本人であろうと西洋人であろうと、人間という物体と思えば、同じで、西洋人は、“動きの中心”として、今解説している様な、両胸の真ん中あたりを“中心”に動いているとも言える訳です。)


日本人はどうしても、踊る時に、まず安定してバランスよく立つというと、両足をしっかり踏み締めてなるべく“重心を低く”して(=臍下丹田辺りに重心を置こうとして)立ちます。お相撲の関取さんが、四股(しこ)を踏む様に、武道などで相手に足払いをかけられても倒れない様に、なるべく重心を低くするのは、当然の事と言えます。しかしダンスにおいては、例えばマーカス・ヒルトン先生(英国の至宝の世界チャンピオンで、英国のMBE保持者)も仰(おっしゃ)っている様に、上(頭部)から吊り下げられている様に(つまり、例えば、タコやイカの頭を持って上から吊るせば、手足がだらんとぶら下がる様に)立ちなさいと教えて下さいます。この様にして立ち、そしてステップで移動したい場所に、上半身を持って行けば、どんどんスウィングして踊れるというもので、これはしっかり理解できる気がします。

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非常に大元の概念で、よく言われる事は、後半の石場先生の解説の中でもお話ししますが、日本人は“農耕民族”なので、ひとつの場所(土地)にドッシリ根を下ろして生活するのが基本ですから、その結果、民族的特性(指向性)として、一ヶ所に根付く事が特徴です。そのため重心を低く低く保ち、一ヶ所に安定して存在する事になり、逆に、“狩猟民族”であるヨーロッパ人(西洋人)は、いつも狩りをして獲物を追いかけているので、常時動く事が民族的特性になっており、そのためには、重心を低くすると、獲物を見つけた時に瞬時に移動できないので、身体の重心を胸とかそれ以上の高さに保っていると言われております。もっと判りやすく言えば、お相撲や柔道などでは、相手から押したり引いたり、突き飛ばされたり、又は足払いをかけられても、どっしりと立っていられるように、相手からの攻撃の影響を受けない様に、重心を低く低く保ちたいものですが、テニスや野球、クリケットなどの様に、どこにボールが飛んでくるか判らないスポーツでは、重心を低くしてどっしり構え過ぎると、ボールが飛んで行った方向に、瞬時に反応して動けません。言い換えると、重心を低くしているのではなくて、むしろ高く“不安定”にしていた方が、よろめくように??!して、すぐに身体を行きたい方向に(重心を倒す事によって)行けるという感じがするでしょう。

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