(133)ダンス競技会の音楽係(第5回)

レッスンや競技会
一般のダンス音楽の速度はどうなっているのでしょうか?競技ダンスの音楽の速度と比較したら…

さて、この『競技会の音楽係』というエッセイも、好き勝手に書いている(しかも音声入力だから、喋った=発声すれば、ドンドン書けます…( ゚Д゚)……)と結構長くなって、今回は、もう第5回目になってしまいました。

ところで、長く書いていると多少質問が来たりするのですけれども、その中に次のようなお尋ねがありました。『(前述のように)競技会で再生する場合の音楽の速度の範囲は分かったけれども、一般のダンスパーティーではどのような速度の音楽がかけられているのでしょうか?』その辺の答えはこうです。 だいたいCDの ケースに表記されている速度を見ると判るように、ダンスの一般の音楽も、競技会の適正速度の範囲内です。二つはほぼ同一です。特にこの前、IDSFとかの団体で、競技用ダンス音楽の再生速度はこうだ!などと強く書いた(前回のアイキャッチ画像参照)ので、では一般の社交ダンス音楽の演奏範囲と、何か非常に異なるような印象を与えてしまったかもしれないのですが、何も競技会用に特別、別格の速度があるという訳ではなくて、競技会の速度範囲は、すなわち、ほぼ社交ダンスとして踊れる音楽の演奏速度の範囲と同じになります。

ただ多少曖昧な側面もあります。例えば。 最近チェックしたことですけれど、ルンバは、この表では25~27なんですけれども、例えば24の速度の曲を見つけました。少し遅いという訳です。(当然ですが、数字の小さい、少ない方が、1分間の演奏小節が少ないという事ですから、のんびりの速度、つまり遅くなる訳です。)確かにこのような曲をかけて、実際にルンバの足型を踏んでみると、ほんの少し遅すぎるかな?という感覚になりますが、何も告知されずに、パーティなどで演奏されれば、それは気づかないくらいの差異です。

以前説明した“シボネー”という曲を思い出してほしいのですが、これはルンバとしてというよりは、シャッセルンバ(≒フレンチ・ルンバ、ボックス・ルンバ)として踊るように収録されているのでしょうか? キューバンルンバとして踊ると抜群に速すぎるようです。(実際に踊ってみると判りますが、マンボかチャチャチャかと思います。)そういう曲も多くのCDで見つけることができます。

 それに、また別件ですが、ブルースとかジルバでしたら、速い速度でも遅い速度でも、幅広い範囲で踊れるので、そういう意味ではパーティーダンスの音楽として使用するには、競技ダンスの幅として、指定されている範囲(例えば25~27)よりも2倍位のゆるさの幅(例えば24~30)というと、ちょっと大げさですが、そのくらいのもっと広い範囲が許容されるのではないでしょうか?

さて、それでは、前回の第4回目の終わりに問題にしましたことに戻りましょう。しっかり速度をメトロノームで測定したのに、会場の電圧や電流、広さなどの諸条件によって、その時の再生では、その前のチェックした速度よりも速く、もしくは遅く演奏されてしまうような場合の対策ですが、どうしたものでしょうか……

赤の🔲で囲った部分のように、こういう様にして、音楽速度が表示されています。BPMとはBars/Min. すなわち 小節数/毎分 という事で、1分間に演奏される小節数を表しています。

まあ、先回の表を見て判るように、この数字だけという風にビシッとひとつの数字のみ指定ではなくて、数字3つくらいの幅がありますから、そういう意味では、多少の遅速は許容範囲ではあります。この対策としては、当然ですが、競技会の場合、たいていは、(特に新しい会場の時は)その会場に赴き、更衣室とかフロアーの設営とか、控室とか採点管理業務の部屋とか、鹿遺跡、音響席の位置などを打ち合わせる会議(下見)をするのですが、その時に、競技会当時と全く同じ条件で、つまり当日使用するプレイヤーやアンプを見込んで、確かにちょっと時間がかかりますが、そのように設置して、そこで本番と全く同じ条件、環境の下(もと)で、音を再生して、そして速度を測るといいのです。

速度の測り方は専門的な色々な機器やメーターなどあるのでしょうが、わたくしは以下のようにしております。今は便利な世の中ですから、タブレットとかスマートフォンの中に無料のメトロノームのアプリがありますので、それらを使います。そしてワルツならば3/4拍子で1分間に28小節という設定で、メトロノームでまずカチカチと音を出すわけです。(前述の様に♩=84という設定にします。)

そして実際の音楽も同時に再生しますと、当然、音楽のメロディとメトロノームの音が聞こえますが、それを比較してみます。すると、もともとワルツの音楽であれば、だいたい28とか30あたりで演奏されていますし、メトロノームもその時に既に28とかにセットされているので、ほぼ一致します。そしてずっと30秒くらい聞いていると、両者が微妙にずれたりして、どちらが速いかわかってくるので、あとメトロノームの設定の微調整をします。これはメトロノームアプリの目盛り、摘み(つまみ)を回すなどして、簡単に速度の増減ができるので簡単です。メトロノームの方を音楽に合わせるようにすると、そのときの表示速度が正確な表示速度になるので、それが例えばワルツの場合、標準速度が28から30なので、その間に入ればバッチリということになります。

先ほど詳しく書いたように、大問題なのはそういうふうに音響スタジオで録音の時に確認したとしても、会場で流した場合に電流、電圧の関係で速くなったり、遅くなったりすると、そういう予想は、その会場ですでに1、2回競技会を既に開催実施していて、その時経験していないとできませんので大変です。(第5回目終了。第6回目に続く)

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