(236)ペアダンスにおける“リード”に関して…(第2回目)

ダンサー内藤の解説シリーズ

もう少し詳しく書くならば、男性が精密に正しいタイミング(時刻)で回転のリードを始めなくても、女性が回転することになっている、その振り付けの部分は最初から決まっているので、パートナーは、リードがあっても無くても回転を開始します。リードが良かろうが悪かろうが当然回転をします。これがもし普通のダンスパーティーでソーシャル(不特定多数の、パーティー参加のお客さんの女性と踊ったりする場合)で踊る場合ならば、ステップの順番は特に決まっていない(つまり競技会の振り付けの様に、最初の1歩から最後の1歩まできちんと決まってないないという意味)ので、その時に男性がその同じような技術力で回したとしても、受け手の相手の女性はいろんな技術の場合とか、足型の場合とかが考えられるので、くるくると回れるとは限りません。これは何もリードが良いからといって、女性にそのリードを受けてくるくる回る技術(=フォローの技術)がなければ回れませんし、また逆に女性に技術があったとしても、男性のリードが下手であってタイミングがずれたり。 ゆるく回したりするのであれば、当然、女性はそれを補って自分で、リードより強く回らない限りはタイミングやスピードも全然ダメなままですので、難しい面はあります

さて、ついこの様に、いつもわたくしはダラダラと説明的に書いてしまうので、何が言いたいかという論点が不明確になってしまっているかもしれませんが、ここで私が言いたいのは、競技会の足型を練習していれば。 それなりにリードの力が上手になるかというと、確かに少しは上手になるでしょうが、前述のような理由からダラダラと練習していただけでは、とても男性がリードの達人になるということはありえないということで、リードに関してはやはりリードという技術を真剣に追求して、それを求めるように強く意識して練習しなければ習得できない……という事なのです。

そして、その点では、わたくしは、しっかり、良い先生たちに恵まれて『リード』というものをしっかり周到で来て幸福だったと言いたい訳です。手前味噌で、そして、そういう先生方の多くは、もうあの世に行ってしまいましたが……。(ロンドンで習った先生の多くはもちろん存命でいらっしゃいますが、一人のラテンの外人の先生は、20何歳の若さでアメリカで自動車事故で亡くなってしまいました……)

ちょっとくどいように聞こえるでしょうが、色々な側面から解説していきたいと思っていますので、途中お茶とか飲みながら、皆様も寛いだ、のんびり時間が流れる時にお読みくださいませ。

それで、この様に解説すればお判りの様に、競技会などで、特定のカップルであれば、リードがあろうがなかろうが、女性はそこで回ろうとするし、男性も一応回そうとするので、現象としては回転が見えるわけです。もちろん上級のトッププロで決勝に残るような選手、特にB級やA級(わたくしは一応A級でございますが…)のレベルであれば、それは当然素晴らしいリードの力とスピードや反射神経、パフォーマンスや表現があるので、もちろん熟練した審査員からみれば、それが女性が勝手に回っているものなのか、それとも男性が素晴らしいリードを発揮して、なおかつ女性も充分フォローの力を発揮して、リーダーとパートナーの醸し出す、両者の倍増どころか累乗で増幅されたパワーで回転しているかなどということは、すぐ見破ること(審査)ができるので、本当にしっくり素晴らしい回転ができる訳です

(第2部はここまでです。 ここまではだらだらと、特に社交ダンスの競技選手であれば、そういうパワーを培(つちか)うような練習とかを長時間、日頃の厳しい練習から技術研修をしているということを書いてしまいましたが、第3部からは、それに派生して、色々な事柄をまた書こうと思いますので、お楽しみにお待ちくださいませ。 もちろん、色々なジャンルのダンス、例えばサルサとかアルゼンチンタンゴとか、キゾンバとかバチャータ、リンディホップ、スイングダンスの経験者や愛好者、プロの先生、ダンサーが読まれることを想定していますが、社交ダンスのプロの先生なども読まれればそういうものかという風に納得がいくと思います。よろしくお願い申し上げます。)

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