(190)能登半島で見かけたひっくり返ったオートバイ(その2)

世の中の出来事

しかし、そうすると次のような連想も起こります。わたくしたちは、例えば普通の四輪自動車を運転していると、四輪自動車は、もちろんそんな風に倒れることは絶対にあり得ません。四輪で、つまり4つのタイヤでバランス良すぎるぐらいに、地上(=地球)にどっしりと這いつくばっているのですから。そして運転席はさらに座席まで用意され、そこに人間は腰をかけてというか、あたかも応接室の高級なソファにふんぞり返って寛(くつろ)いでいるかの如く、座ってハンドルを握るので、(前述のひっくり返るようなオートバイと比較すれば)もう全てが非常に“安定”している訳です。そのまま居眠りもできるし…といっても、もちろん運転中のことではありませんよ…どっかドライブインとかコンビニエンスストアの駐車場で休憩すれば、そこで居眠りもできるし、電話もできるし、なまじの自分の家の書斎よりも快適な空間です。 ところで、ナナハンのオートバイと自動車、四輪自動車はどちらが重いでしょうか?それは当然、四輪自動車の方が重いでしょうね。トラックとかになれば、もっと数10倍の重さがあります。

なのに、先ほどの、わたくしが見かけた能登半島のシーンでお分かりのように、オートバイのような二輪自動車はバランスが非常に悪く、当然これは、ドライバーが小さいシートに跨(またが)っていて、足で地面を支えて立ってでもいなければ、当然、自転車と同様で、空中に二輪のまま停止するわけはありません。ところが四輪自動車は当然ですけれども、抜群のバランスの良さのため、何もしなくても、機械は自分でちゃんと平衡を保って立っているというか存在しています。 だから四輪自動車の方は、人間が座っても、シートを斜めにして寝ていても、バランスを失わずに座れるので、バランスが悪いということを全く感じさせずに、四輪自動車は非常に人間の身体ににフィットしやすい訳ですから、…ここが非常に重要な点なのですが、人間は、この機械…この大きくて本当は厄介で恐ろしい代物を、操作しやすいんだと勘違いしてしまうのですね

 確かにきちんと恐る恐る非常に慎重な態度と心構えでもって操作すれば、それはその慎重な操作をしている時間中だけならば、危なくはないということになる面もありますが、考えてみれば判る様に、オートバイよりも遥かに重く巨大な訳ですから、本当に我々は鉄の塊を振り回しているようなもので、知らないで気がつかないまま、後ろに人がいるのにバックすれば当然、その人を撥(は)ねて死亡させたり、命に関わる障害を与えてしまうだろうし、交差点で赤信号に変わる直前に、あたかも電車や地下鉄の「飛び込み乗車」のように(進入)侵入すれば、動き始めたそれまで赤だった側の信号の自動車の側面に衝突するかもしれません。

(第2回目はここまでで終了です。第3回目に続きます。もう既に、わたくしがこのエッセイで何が言いたいかは、皆様、お判りですよね⁉)

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