(83)久しぶりの競技会、そして久しぶりの競技ダンス・技術的なアドバイス(その1)

ダンス技術
歩幅が大きくなったり、小さくなったりのノーコントロールのふらついた様なダンス

今回は、超珍しく、わたくしの職業のダンスに関するエッセーでございます。いつもこのブログのタイトルである、『かずりんの社交ダンスサービス』の名前を裏切って、ダンスに関することなど一つも書いておりませんのに、(と言っても、以前からのを合計すると、5~6編は書いていることでせふ)今回は、競技選手の技術的なことを書いてみたいと思います。ダンスファンの皆様、お待たせしました。

いつも通りの競技会風景(プライバシー保護の観点から、ぼかしてあります。決してエロい観点からぼかしてあるわけではありません。)

今日は久しぶりに競技会でございました。 いつも通り音楽係をしておりまして。 ずっと競技会を見たりしているのですけれども、今回はアマチュアC級ぐらいまでのレベルの踊りで、目についたこと、気がついたことなどをお話ししようと思います。一口にC級といっても、東京などの同じC級はとてもレベルが高いので、それこそ地方のA級B級に匹敵するかと思います。そして、同じ地方でもC級と一口に言っても、もちろん高度な技術を持った人からC級から上がりたてで、まだ全然慣れていない組もいると思うので、一概には言えませんが、東京などは競争率も多分10倍ぐらいで、非常にレベルが高いでしょうね。今はコロナの時代ですから、競技会も少なくなって何とも言えませんが、それでも今までですと、中部(註。中部ブロックのことで、富山、石川、福井、岐阜、三重、愛知、静岡の7県でまとまっての開催。プロフェッショナルもアマチュアの選手もこの7県の選手が出ます)の競技会で30組出場するならば、東京は300名ぐらい出るのではないかと思えたのが昔でした。なので、あくまで、わたくしが住んでいる中部地方の競技会でのお話のようなものですけれども、C級以下の技術で気がついたところ、特に改善すべきまずいところを3つぐらい、大雑把に書きたいと思います。いつも通り、すぐ長くなりますので、3つ重要な点を書きますが、全3回に分けてお送り申し上げます。

まあ、今ではダンスビューとか、いろんなダンス雑誌、それからダンス番組、インターネット、YouTubeなどで、色々な先生がたくさんの講座をしております。わたくしもその1人で10年ほど前からの老舗で、YouTubeの先駆けと自負してはおりますけれどもね。

さて、本論にやっと入りましょう!まず1つ目は……『歩幅が不均一になる』ということです。例えば、わかりやすい例で言いますと、スローフォックストロットの『リバース・ウェイブの4~6歩』と『バック・フェザー』をずーっと続けて、男性がどんどんSQQのリズムで後退をする『バック・ウェイブズ』というポピュラーな足型がありますが、こういうときに男性がどんどん後退して、女性が前進してくるときに、男性ある時は、その後退歩が50cmぐらいで、大きく雄大に下がったと思えば、次の足は15cmぐらいの幅になって、全然ボディも後退していません。また次のステップは、上半身が倒れ込むようにして30cmぐらいであったりとか、ワルツにおいて、後退が2、3歩続くようなステップでも(例えば、ランニング・ウィーブの後半とか)そういう傾向が見られ、とにかく歩幅がちぐはぐになってしまいます。特に今や、あまり若いカップルはいませんので、皆様かなりお年を召していらっしゃいますので、こういう言い方をすると、誹謗中傷気味になりそうで、まことに申し訳ないのですが、競技会的に、ビシッと脚の筋肉を使って、力強く後退のステップを踏むというよりは、パートナーの女性を抱えて、ふらつきながら、やっとこさで必死に後退歩を出していらっしゃるという感じのペアも、たくさん見受けられます。

もちろん、前進のステップにおいても、そういう傾向は同様です。これではやはり、移動距離もまちまちになって、同じ人間なのに、ある時は大きく移動し今度は小さく移動になるという風にあやふやになってしまって見た目も、ふらついてよろめいているようにしか見えません。強いボディの推進力というものが見えません。まあもちろん、内回転、外回転という事から、またはカウントのSの場合は、やや大きめに、Qが連続するときは、時間も短いので、やや歩幅を小さくして素早くという状況はあるでしょうが、そういうことをあまり深く考えずとも、競技会であれば、まずは、一歩が、40~50cmになるようにチェックして踊る練習をすれば、かなり雄大にスウィングできることでしょう。(もちろんタンゴも)では、ある時は歩幅が大きく、またある時は小さくなる原因は何でしょう。これはやはりにひとえに『脚が弱い‼』という事です。ちなみに混乱を避けるために書いておきますと、『脚』と書くときは、またから下の長い部分全体。『足』と書くときは、足首より下の、靴を履いている部分のことを指し、英語のレッグ(leg)と(foot)に対応しています。まあ、どちらにしろ、あしが弱いということです。 もし、『いや、俺は一日おきに筋トレしているし、学生の時はサッカー部だったから、足の筋肉には自信があるんだ!』という選手は、強かったとしても、適切に足(脚)を強く使えていないので、そういうふらつき踊りになるのです。やはり脚力の鍛錬ということはダンスを踊る練習のみだけでなく、その他にきちんとした筋トレをするべきです。

ワルツとかダンスのみで、その脚力の強化練習するのならば、ピッタリのお勧め練習があります。ちょっと古くなりますが、“シンキンソン先生スタイル”と言って、ベーシックステップ(もちろん、自分の使用している競技で踊る際のバリエーションでも大歓迎)などのワルツを踊り、2と3の間で両足を開いて、1小節の長さ分、静止したまま止まってホールドの腕を降ろし、次の1小節で同じように静止したまま、再度ホールドの腕を上げて組みます。それから、また踊り始め、次のステップでまた同様に、静止するという事を繰り返します。これだと、ちょうど静止するところは、2と3の中間なので、ピクチャーポーズとかの降りている場合でなければ、普通のステップですから、当然ライズの最中ですので、ヒールが浮いていますので、そこでずっと止まっていれば、足の筋肉が震えてきたり、なかなか強い筋トレの効果抜群です。

これは、英国のジョン・ウッド選手、マーカス・ヒルトン選手などの時代に、その世界第3位だった、アンドリュー・シンキンソン先生がレッスンビデオでも解説しているトレーニング方法なので、“シンキンソン・スタイル”と呼んでいるのです。非常に脚力筋力が鍛えられるというわけです。こういうのをするといいでしょう。

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