(43)今度こそ母ちゃんは死んでいるだろう!…

お知らせ
何度母親は倒れたから電話に出ないと思った事か…

まあ母親も完全な認知症ではなかったけれども、やはりもう80いくつですから、同じことを何回も言うし、そして 1時間くらい前に話したことなのにまた同じことを繰り返すという意味では、もう相当やはり認知機能が衰えてきて、半ば認知症になっていたと思われます。それでも母は古い実家にひとりずっと住んでいたということで、施設に入って亡くなるまで2年ぐらいありました。けれども、それ以前はずっと家に住んでいました。しかしそうするとめちゃくちゃ心配で、実家と離れて別の場所に住んでいるわたくしとしては、母親が今頃倒れているんじゃないかとか、もうそれはそれは超心配で、その事を考えると、気が休まる暇もありませんでした。特に昔の人間によく言われていることですが、クーラーを取り付けても、昔の人間らしく冷暖房は一切使わないという感じで、すごく暑い日なども全然クーラーを使おうとしませんので、わざわざ実家まで行ってクーラーをつけてきたり、またつけたらつけたで、今度は消し方の指導をしないといけないけれども、すぐ消してしまったり大変です。私の住んでいる家と実家とは車で15分ぐらいの距離なのです。

ある時、友人などがアドバイスしてくれる事には、朝とか晩に、定期的に電話を母親の方からかけるように習慣づけておくと、心配しなくても、元気ならちゃんとかかってくるからまあこちらが定期的にかけてもいいんだけどもうかけさせた方が自発的な 行動になるので認知機能の衰えを少しでも防止できるんじゃないかというふうに言われたのでそういうふうにしました。そして もう今から、6~7年も前になるでしょうか、母親に携帯電話も買って、それも字が大きいのを持ってもらうようにしました。メールの仕方も細かく教えたのですが、どうも文字を変換するときに 、青地に白という風に反転する、そこら辺の扱い方がうまくわからないみたいで、『元気だよ』と言う返信だけはなんとかできるようになりましたが、携帯電話にはあまり出たがらないようでしたし、メールの作製は、結局無理でした。ある時など、こちらから母親の携帯電話にかけても、ずっと20回、30回 呼び出し音が鳴っても出ないので、もういよいよ倒れたかなと思い、さらに何回もかけていると知らない女性が出るではありませんか! そしてその女性が言うには『今、スーパーでお母様は買い物しているようだけれど、電話が鳴っていても出ようとしないので、私が心配になって、家族からじゃないのと言って代わりに出ました。』という、そんなこともありましたのでびっくり仰天です。それで、一応、携帯電話、固定電話にかかわらず、まあ主に固定電話からですが、母親に朝の8時と夜の9時電話をするように習慣づけようとお願いして、きつく言っておきました。それで、8時頃に何とか、最初は定期的に、母親が率先して電話をかけてくるようになったのですが、これがまた大変なことでした。なぜならば、元気な時は心配せんでもいいと言って、やがて勝手に判断してかけない時もあるのです。そうすると、こちらはそんなことは判りませんので、当然待っていても夜の9時に電話が無い時は、もういよいよ倒れたかとか死んだとか、もう本当に心配になって、こちらからかけるのですが、全然出ません。そうするともう心配で生きた心地がせずに、15分運転して実家に飛んで行って、玄関を叩くのですが、そうすると、『何?今頃何しに来たの?』と言って元気な様子です。電話が鳴ったけど、面倒くさいで出んかったがや~。』(名古屋弁)と言って、本人はのんきなもので、もう半分やはり認知症なのか、事の重大さを全く理解していません。朝も朝で同じように、こちらからかけ直した時に出ればまだ良いのですが、そういう事も少なく音沙汰無しなので、本当にこの様につながらない時は、実家に往復しないといけませんので、大変でした。またある時などは、かかってくるのですが、1言も喋らずに切ってしまうので、これは電話をかけてきた瞬間にまた倒れたのかとか、喋ろうとした瞬間に何か脳溢血かなんかで倒れたのではないかと本当に気が気でありませんでした。こういうことはほかの家庭でもあると思うのですが、特に年がいった高齢者の実父や実母は、住み慣れた家にひとりでそのまま住みたがるので、連れ合い(配偶者など)が既に亡くなっているような場合は、ひとりでずっとそこで生活することになります。わたくしの母親も夜型の時もあって、深夜2時にコンビニのファミリーマートに行って、おにぎりを買ってくるとかの行動がありましたので、コンビニの人が心配して電話をかけてくれたこともありました。 堂々たる深夜徘徊ですよね……。そんな訳で、何とか説得して、足腰が悪くなった折に、施設に入居してもらいました。亡くなったのは、それから、2~3年後でしたね。今から4年ほど前の想い出です。

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