では先回に引き続いて今回は第2回目です。アマチュアC級くらいまでの競技選手のダンスを見ていて、いろいろアドバイスをいたしたいと思います。それ以上のアマチュア上級や、プロのC級以下に対しての気づいた点や助言は、また別途近い将来いたしたいと思いますので、よろしくご了承くださいませ。
さて、2つ目ですが、それは『トップが安定しない』ということです。どういうことかというと、男女の頭部もしくは、フレームつまり男女の両腕が作る枠(フレーム)から上の、肩、首のライン、そして頭部が作る部分というか、形状ですね。これを特に、上の部分ということから、“トップ”とか“トップライン”といいます。『あのカップルはトップラインが崩れないよね。』などの表現を聞いたことがあるでしょう。胸の上部辺りから、腕のフレームも含んだ(又は含まない場合もある)そこから上の、ふたりのシルエットということです。
「トップが安定しない」というのは、まあ簡単に言えば、二人がしっくりホールドしていないということです。第1回目に書きましたように、当然脚部が弱くて、一歩一歩の足型を踏むのに、微動というか微少なガタつきやよろめきがあれば、当然上部も影響を受けて、ショルダーラインや、組んでいるふたりの腕もぐらついたりするのは当然です。競技ダンスは、このふたりのシルエットをカチッとして崩れないものにして、それがスムーズに移動したりスウィングすることを競う訳ですから、脚部を鍛えて、下半身の使い方からくるがたつきをなくしたとしてもまだ不十分で、やはり、トップ自体が崩れないように、常時良い形状を保っている、しかも男女が一体となって見えること自体を、きちんと練習しないといけません。これをやはり鍛え直す必要があります。
男性も多少、左方向又は、非常に微少に、ステップによっては、後方に少しだけそるようなシェイプ(インクリネーション=inclination)はしますが、ほぼ床に垂直な状態を保ち、女性はそれに布がまとわりつくように柔らかく、そして、今や、女性はもう後方にひっくり返るようなほど倒れるというか、大きなシェイプをします。もう本当に45°ぐらい反っている感じで、男性に柔らかくまとわりつくようにホールドします。そしてそのまま、スウェイをしたりライズをしたりロアをしたり、動いたり、回転したりしても、その男女が作るシルエットが、なるべくガタつかないように、つまり、ガサガサしたりギスギスしたりグラグラしないようにしますが、これが、やはりアマチュアのC級以下の選手ですと、かなりダメな感じがします。
とにかく何でもいいから、男女がくっついてホールドしていればいいというような感じで踊っているのかと思う選手が少なくありません。また以下のように書くと、非常に悪く書き連ねている感じがするので、誹謗中傷的だと言われそうですが、先回に書いたように、なかなか脚部をしっかり使って安定して、歩幅もほぼ均一で移動したり動いたりできる選手も少なく、そういう意味では、自分の足でしっかり立っているのも難しい選手(リーダー=男性)が多い中、もうとても組んでいるパートナーバランスというか、パートナーのことまでうまく面倒見る=自分の胸から上のガタつかず、なお組んでいるパートナーと一緒に作る、その胸から上のシルエットも崩れない…というさらに複雑で難しいことまでとてもできなさそうです。それは、プロでもかなり難しいことなので、相当それを鍛錬しないと、自分がきちんと立っているかも怪しいので、とてもそこまで要求するのは酷な感じがします。
練習方法まで細かく書きたいのですが、すぐ3,000文字以上になってしまうので、また近い時に、YouTubeなどでもっと、この様な文章ではなくて、映像で、わたくしがきちんと実演して解説したいとは思います。(既に、もちろん多くの技術解説、競技選手用のYouTubeを出していますので、そういうものもご参照くださいませ。)簡単に言えば、やはり、男性の胸から上部(又は腰から上部の上半身と思ってもいいですが)が、空間に対して、ガタつきやムラの無いように、ス~~ッと、静かに強く安定して進行していく(=ちょうどグライダーが斜めになったり、高くなったりの曲線の軌跡をス~~ッと描いて滑空していく)様に、そして、それにくっついている(組んでいる)女性も、その組んでいる形状がぶれないように、ガタつかないようにまとわりついている…そういう状況を、スマホで撮影したり、何回も何回も感覚で覚えながら数多く反復練習するのです。ちょっと難しい話になりますが、先回の①の改善点にも関連しますが、今述べたように、上半身(又はトップ)が非常に強く、ガタつかずに滑空するように、スムーズに見えるのが、絶対ゲットしたい『結果』なのです。だから、逆にいうと、そういうスムーズな滑空になるようなときの、脚部の動かし方、強さ、筋肉の使い方が、①で求められているものと思ってもいい訳ですので、そういう意味では、①から練習しても良いし、②から練習しても、大体の帰結点(出来上がり、完成の状態)は同じということです。
ちょっと難しくわかりにくい書き方になってしまいましたが、今回はこれで終了といたします。
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