(300)ダンス競技会の音楽係の具体的なお仕事⑤

ダンサー内藤の解説シリーズ

要するに。別のひとセットの機械をもう一セット用意しているということなので、使っているプレイヤーやアンプが故障して、全く音楽が再生できない危機に陥ったとしても、それらを使えばまた別の機械を使うわけですから、大丈夫なので、そういう点も一応用意周到にしないといけません。

さて。準備ではなくて、実際の当日は、どういうことに気をつけるかというと……ちょっと細かくなりますが、「同点決勝」という事があります。だいたい平均して、2~3回はあります。これはどういうことかというと、例えばアマチュアC級戦において第2次予選から準決勝に進むときに、12組を選出するべきところを、審査員がチェックしたマークが同点の為、このままいくと、例えば15組が選ばれてしまう。例えば10組は(得点数が多くて)確定できるけど、残りの2組を選ぼうとしても、5組が全てどう得点になってしまっているような事態です。可能性としては充分起こるわけで、そういうときはそのまま準決勝に残してしまうと、17組になって17組から決勝6組を選ぶのはちょっと標準的ではないので、その同点で区別ができない5組にもう一度踊ってもらって、その中から2組を選出するのが、「同点決勝」なのです。「決勝」と書かれていますが、最終的な優勝を決める「決勝」と混同しやすいので、ご注意ください。

さて、そういう同点決勝は、突発的な事項(と言っても勿論予想できる事態ですが…)なので、音楽も最初からは組み込まれていませんので、そういう場合用のストックから選んで再生する訳ですが、その際の留意点としては、細かい話になりますが、同点決勝が始まり、音楽が音響機器で再生され、そのラウンドでは、審査員が選び終わったときに、審査員長が『はい、そこまで』という指示を進行係に出すので、その瞬間にすぐに演奏ストップしなければなりません。そういう訳で、同点決勝の際は、あらかじめ、1分30秒とか、2分とか決まっている訳ではなくて、流動的なので、当然手動で再生をストップするので、しっかりその状況を見ていないといけないわけです。

審査員長の判断で、全ての審査員がチェックし終わった時点で、音楽ストップなのです。それは1分で終わるかもしれないし、人数が多い場合は逆に1分50秒かけたりすることもざらにあるので、そういう意味からも1分20秒や1分30秒でフェードアウトするように録音している曲ばかりだと、その時にまずいことになってしまうので、やはり曲は2分以上3分くらいのものまでを、またはCDに入っている原曲のままを録音したようなものが望ましいと思われます。

そうすると結構ダンスに詳しい人などは、そういうCDの音楽をかけると、著作権料とかはどうなっているのかという疑問が湧くと思いますが、心配は要りません。かなり高額にはなりますが、著作権料を、きちんと著作権協会に払っております。確かに小さい公民館のパーティーなどはそういうことをしていないところもあるかと思いますが、精密にはジャスラックという著作権協会の愛知県支部にそういうお金を支払うのが正当な方法なので、当然財団系統の大きいきちんとした競技会においては、そういう著作権料の支払いは滞りなく、結構細かい書類を書いて提出しております。では今回はここまでです。

第1回目に添付したのと同じ動画ですが、再度ご覧になると、こんな感じかなというのが、より深くお判りいただけると思います。

久しぶりにダンス内容で執筆をしました。音楽の仕事についても、隅々(すみずみ)まで細かく書いたというわけでもないので、また継続ということで、別の機会に改めて書くことにいたします。

なお、このブログではいろんなことを取り扱っていますので、他のトピックについてもどうぞご愛読をご継続ください。何卒よろしくお願い申し上げます。(音楽係に関してはこれで終了です。)

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